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パリ・ダカ?

スペイン添乗中のお話です。

1月2日(金)、バルセロナからバレンシアへ向かう途中、高速道路にかかる複数の歩道橋の上に何やら人だかりが…
皆こっちを向いているし、時々手を振っている人もいる。横断幕を付けている所もある。
何だかわからないけど、我々が通ると手を振るので、私も手を振り返していた。(すぐその気になる)

そのうち、沢山のステッカーやゼッケンを付けた車やトラック、バイクなどが追い越していくようになった。
どうみてもサーキットを走るレースカーではないが、それっぽい雰囲気を醸し出す車ばかり。
道脇の畑からも、革ジャン姿の兄ちゃん達が好奇の目でこっちを見て手を振っている。
どうやら彼らは、私にではなく(当たり前!)これらの派手な車達目当てにやってきてるらしい。
ひょっとしたら我々の派手な(?)バスもそのご一行様に見られてたのかもしれないが。

「ラリーカー?」
私は運転手に訊いてみた。
運転を生業としている彼なら、少なからずこういうことには興味を持っているだろうと。
「そうだよ。パリ・ダカールのラリーさ。」

パリ・ダカって?
あなたねぇ、いくら見かけおばさんの私でも、昔はモータースポーツのライセンス持ってたのよ!
パリ・ダカって「世界一過酷なレース」で有名なラリーが、こんな高速道路を呑気に走ってる訳ないでしょ!?
砂漠の真ん中とか道なき道を乗り越えて、時には牛や鹿も跳ね飛ばして、ワイルド極まりない20日間を走り抜けるレースでしょ!
それ位私でも知ってるのよ。

でも運転手は「そうだ」と言い張る。
NISSAN」のステッカー付けた4WDがバスの脇を追い越して行った。

我々が休憩をとったサービスエリアにも、派手なカラーリングのトラックなどが駐車しており、お揃いのトレーナーを着た男たちが一服していた。

「今日はバルセロナを抜けてバレンシアまで。それからグラナダ~マラガを抜けて、アルヘシラスからアフリカ大陸へ入るんだ。」
運転手はそう教えてくれた。
そうか、フランスからアフリカ大陸に入るのには、確かにルート的にはあり、かもね。
それにしても、映像で見るパリ・ダカはいつもダートなとこばかり走っているから、24時間そんなとこばかり走ってて野宿でもしてるようなイメージがあった。
まさかこんな高速道路を閉鎖もしないで、一般車と一緒にのんびり走っている時もあるとは思わなかった。
そりゃぁ24時間×20日間ダートばかり走ってたら、どこかおかしくなるだろう、人間でも。

夜、バレンシアのホテルで見たニュースでは、今日のパリ・ダカの模様として、雪のピレネー越えとぬかるみにはまって立ち往生している車やバイクの姿が映し出されていた。
太陽が燦々とふりそそぐオレンジ畑の中の高速を走っていた姿とは、似ても似つかない映像だ。
「作られたイメージ」とは恐ろしい。(大げさ?)

パリ・ダカも残すところあと数日。テロ予告のためステージが一部キャンセルされるなど、ここでもイラク戦争の余波が現れているが、ようやく再開。
増岡浩選手が総合2位で頑張っている。


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