悪いのは鶏じゃない…
昨日一昨日と『日本旅行医学会大会』なるものに出席してきました。
昨日は吉村作治先生のエジプト話など聴けて、お昼のお弁当も出て、これで2日間通しで3,000円はとても有意義でした。
(お弁当タイムに『頻尿とハルンケア』というセミナーをやったのには閉口したけど(笑))
さてこの中で、時節柄「特別緊急レポート」として『トリインフルエンザ』について報告されていたので、私が理解できた範囲でお知らせします。
(お医者様向けだから、何しろ専門用語が多くて…)
元々はアラスカ・シベリア辺りの湖に生息する、鴨をはじめとした水鳥が持っているウィルスが諸悪の根源らしい。
通常はそれでも殆どが弱毒株で、一般には軽い呼吸器症状や下痢を起こす位なんだそう。しかし強毒株のウィルスが感染すると100%近い致死率を持つ(トリの話ね)。この強毒株ウィルスは、1個あると12時間以内に1億個に分離するので、感染率はかなり高くなる。一夜のうちに鶏舎全ての鶏が死滅するのは、そういう訳です。
このウィルスが全て人間にも感染するものではありません。通常トリウィルスが人間に直接感染することはなく、ブタを介して変異したものが感染するとされてきました。
しかし最近、といっても正確には1997年に香港で、高病原性ウィルスがトリからヒトに直接感染し18名感染発症(6名死亡)したことから、危機感を募らせているということのようです。
(このときは、なぜそれほど騒がれなかったのでしょう??)
世間があまりに鶏にばかり注意しているけれども、実際は前述の鴨が最も危険なわけで、その他に輸入ペットの鳥なども充分アブナイ。鶏よりも気をつけないといけないトリは沢山あります。
あまりに強い感染力のために、小屋で飼われている鶏が一夜の内に死滅したというのがセンセーショナルにとらえられているだけで、『たなぼた』でピーさんがおっしゃているように、捨てトリなんてすると、ますますウィルスが飛び交う要因になってしまう。恐ろしい事です。
このウィルスは70度以上加熱すると死滅するので、例えば充分火を通した焼き鳥などは全く問題ないはず(笑)。
だから、鶏に対して過度に恐れる必要は全くなく、むしろ感染を恐れて鶏を捨てるなどという行為そのものが危険であり大罪になります。もし心配なら、鶏が元気なうちに煮て焼いて食べた方がマシ。
注意しなければいけないのは、埋却ではウィルスは死滅しません。万が一後で掘り返したら再感染の恐れ大です。必ず焼却しましょう。
あと、レポートではワクチン開発の話や有効な飲薬の話が出ていましたが、承認され正式に発表されるまでは、素人が気軽に書いてはいけないと思うので、ここでは伏せておきます。
いずれにしても1番の被害者、いや被害トリとなってしまった鶏たちの、ご冥福をお祈りいたします(人)。
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