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疲れたらひと休み

明日からいよいよ、私の新しい旅が始まる。
私が以前より携わりたくて、なかなか実現できなかった夢の1つだ。

お客様は、ご夫婦1組。奥様が車椅子を使用している。
「イタリアに行きたい」という夢をお持ちで、某旅行会社のパッケージツアーに申し込んだら、車椅子利用とわかった途端に何の音沙汰もなくなってしまったのだそうだ。
最近は大手旅行会社でも「障害者ツアー」に取組むところが増えてきたが、反面、障害者が普通のツアーに参加する事を拒む傾向がますます強くなっている。「バリアフリーツアー」と銘打っても、実際は全く「バリアフリー」ではない旅行会社が大半なのが現実である。

さて、以前も少し触れたことがあるが、昨秋大阪で「バリアフリーシンポジウム」に参加したときに、ある旅行会社の代表の方と知り合うチャンスを得た。いや正確には名刺交換をしただけだったのだが。
障害者の旅行を手がける会社として定評があり、私も以前より少なからず社名を耳にしていた。
正直言ってこの分野は、会社によって考え方が驚くほど異なる。会社のカラーがこれほどはっきり出るのも面白い。例えば某最大手(まんまやん!)のそれは、「医者も看護婦も、手話のできる添乗員も付けます。移動はリフトバス、食事は身体に優しい…云々の完全サポート体制」。2番手の場合は「最少催行20名」(笑)(注、あくまでも一例です)。

なんだか「自分は病人なのか?」と錯覚を覚えそうにならないか?
もちろんそういうサービスを希望する人もいるのだろう、また価格を少しでも抑えるためという主旨も理解できる。
でも私が思うのは、障害があることで世間から隔離されるという現実を少しでも打破して、一人の人間としてどんどん外に出て行けないか? ということなのだ。
あくまでも自分の意思で旅をする、そして「できないこと」のみをサポートするという、そういう面でとても共感を覚えていたのが、今回の会社である。

名刺交換以降はすっかりご無沙汰していたのだが、今年初め、あまりに仕事がなくて暇していた私は、思い余ってこの会社に押しかけてしまった。その頃は藁をもすがりたい心境だったのは確かだが、まさか本当に仕事のチャンスがこんなに早く頂けるとは思ってもみなかった。

3月初めにお客様にお会いして、イタリアの旅行についていろいろご相談させて頂き、日程を組み、手配。1ヶ月という期間が必ずしも妥当というわけではないが、通常、添乗員が与えられたツアーに関する情報を受け取れるのが、出発の前日~2日前だから、私自身、旅について、お客様について、何倍も深く理解を深める事ができた。そういう意味ではとても充実して取組めた1ヶ月かもしれない。
もちろん、現地のバリアフリー事情など、イタリアに60回行っても未だ経験した事の無い部分が山ほどあり、正直不安も多い。確かにハード面では日本よりも格段に劣るけれども、でもなんとなくイタリアなら、イタリア人ならなんとかしてくれるだろう、という期待感の方が多い。
イタリアに行ったことのある人ならきっと感じたであろう、最近の日本人が失ってしまった人情が色濃く残る国だから。

実は現地での予定は殆ど決まっていない。
とりあえず往復の航空券とホテルを手配して頂いたので、それに合わせて現地で旅を組み立てるわけ。
お客様の体調を見ながら、私のお勧めの場所をご案内して、時には冒険をして、疲れたらいつでもひと休みできるような、そんな旅を考えている。

「疲れたら、いつでもひと休み」 … 盛り沢山のパッケージツアーでは、決してできないことでしょ?

自分にとっても大きなチャレンジ、いよいよ明日出発だ。


*今回のイラク問題に関して、早速11日は「ローマ上空飛行禁止」などというニュースが流れている。
 よかった、明日はベニスに入ります(^_^)。

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