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マンチェスター空港にて

3週間のホームスティから帰国して中2日、成田に前泊の後、イギリスのツアーに出発した。
ヴァージン・アトランティック航空ロンドン・ヒースロー空港を経由して、マンチェスター空港が旅の第一歩である。

7月~8月はヨーロッパもバカンスシーズン。誰でも最低連続3週間の休暇を取るのが普通、という文化・慣習の中で仕事をする人は当然少なく、従って乗継地ではロストバゲージが頻繁に起こる。特にロンドンやパリ、ミラノ、フランクフルトを経由した場合は尚更である。最近はこれでも少なくなってたんだけどね、ここへ来て再び頻発しているのがコワイ。
移動の多いパッケージツアーだから、初日にロスとしてしまうと後が大変。移動先のホテルに届けてもらうのが至難の業なのだ。

さて、そのマンチェスター空港でロストが発覚した。
実はこの荷物に関しては、既にロンドンで乗り継ぐ時に係員から「荷物が積まれていない」と聞かされていた。しかし離陸が遅れていたので、万に1つの可能性にも賭けていたのだが、ターンテーブルから乗客の姿が無くなっても心配そうに立ちすくんでいるお客様の姿を見たときには、こちらもどっと疲れが出てしまった。スタッフは「荷物が無いよ」の一言で済むのかもしれないけど、まあ教えてくれただけでも親切と思わなくちゃいけないかもしれないけど、これから発生するお客様の苦悩とバゲージサービススタッフとの戦いを考えると、ほんとに気が遠くなるのだ。まず電話がなかなか繋がらないからね。

幸運にも荷物を手にできたお客様には、外のバスで待機して頂き、私はカウンターで申告していた。運が良ければ、次の便で届く可能性がある。しかしカウンターのスタッフは現在どこにあるのかもわからないという。嫌な予感が漂う。

他の便が到着し、グレーのジャージを着た若い男性の一行が通り過ぎた。ターンテーブルでおどけた一人に笑い声がどっとおこる。そんな笑い声にも反応する元気がなかった私だった。

ようやく申告書の作成が終わり、お客様と到着ロビーに出ると、待っていたアシスタントが
「今マンチェスター・ユナイテッドの選手達が出てきました。ラッキーでしたね。」
という。
man-u.jpgさっきのグレーのご一行が、まさにマンUの選手達だったのだ。
マンチェスターだからマンUで当たり前かもしれないけど、しかし香港に行けばジャッキー・チェンに会えるというわけではない、というのと同じ位の確立で会えるわけが無い人達である。
そんな人達に私はうっかり背中を向けてしまったのである。おそらくもう一生、こんなチャンスはありえないだろう。

ホテルはマンチェスターユナイテッドのホームスタジアムの半マイル先。中高年の多いツアー客では、マンUの話をしても無関心、それより日本時間では朝の4時、瞼の方が当然重い、という雰囲気。私は遅い夕闇に浮かぶ白いスタジアムと紅いネオンサインを半ば恨めし気に眺めながら、ホテルへと向かったのだった。

ちなみにロストした荷物は、結局3日目の夜、ようやく湖水地方のホテルに届けられたが、それまでどれほど係員と喧嘩したか…。あまりにのらりくらりとした対応に切れた私が怒鳴ったら、ようやく慌てて夜に届けてくれた。しかし届いた荷物は鍵が2箇所壊され、なんと味噌汁や山菜御飯・お粥・おにぎりのドライフーズがごっそり盗まれていた。

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