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顧客満足=CSとは?

元来一匹狼的性格なためか、私はいわゆる「業界最大手」という企業が好きではない。
もちろん、最大手企業がその業界に果たしてきた功績などは認める。日本経済を牽引してきたその力は偉大で深いし、それは他の追随を許さない。だから「最大手」なのだと思う。
しかし、その企業の製品やそこに働く人々の意識の中にまで、時として一般大衆の上に胡坐をかいてのさばっている姿が見え隠れするのである。それは不思議な事に業種を問わない。ありとあらゆる業種に於いて垣間見えてくるのはなぜだろう?

仕事柄飛行機を利用する機会が多い。
つい最近業界3位までも吸収してガリバーと化している航空会社(通称J○L)。他の仕事仲間もよく愚痴をこぼしているが、私も腹立たしい思いをすることがよくある。
以前も、搭乗ゲートでシートチェンジしてもらって機内に入ったところ、突然
「ちょっと、あなたは本当にここの席ですか?」
と客室乗務員に言われたことがある。
たまたま座った席の周りが空席だったので、私が勝手に座ったものと思われたらしい。
ハワイやアジア線など、中距離国際線では、横になって寝る場所を求めて勝手に移動する乗客が多いのは事実。これを認めてしまうと、離着陸の際に危険であることは知っている。しかし私は搭乗前に正規に変更してもらったもので、咎められる理由は何もない。
搭乗券の半券を見せて、正しい席であることを示すと
「あ、そう」
と、これまでの言動・態度を詫びもせずにその乗務員は去っていった。
失礼極まりない。自分の愚かな勘繰りで他人を侮辱しておいて、詫びる事さえしない。

またこんなこともあった。
たまったマイレージで国内線を利用したときの事。自分のマイレージカードで、国内線のラウンジを利用する事ができた。もちろん仕事中は使わないが、個人的な用だったので、ラウンジに向かった。
入口でカードを見せたところ、使用期限が半月前に切れていた。新しいカードが送られてこなかったので、私も気がつかなかったのである。そしたら入口の係員は
「このカードは没収します」
とカードを取り上げ、私はラウンジを追い出されてしまった。
そりゃ切れたカードでゴリ押しはしないけれども、それにしても係員の態度は、まるで私が不正使用でもしたかのよう。自分が悪いとはいえ、とても後味が悪かったのを覚えている。

そして今回。
貯まったマイレージの有効期限が迫っているので、J○L利用クーポンに交換して、国内線のチケットを購入しようとした。早速ネットで利用クーポンの手続きをし、その直後に国内線の予約をした。25日深夜のことである。
ところが利用クーポンが届くのは1週間後、しかし国内線のチケット購入期限は今月末迄との表示が出た。これではクーポンが微妙に間に合わない。いやもしかしたら間に合うかもしれないが、間に合わなかったら困る。
翌朝事務局に電話をした。できるだけ早く送ってもらえるように、なんとかならないか、と。
来月1日より2週間不在になる、という自分の事情もあった。
しかし、事務局の対応は予想通り。個人の事情は一切受け付けない、の一点張り。
慇懃無礼、まさにこの言葉そのものの対応である。

私は早速この会社のページにメールした。
まる1日過ぎて届いた返信がこれである。

まりあ 様
                    株式会社○○航空ジャパン
                    CS推進部サービス推進センター
                    マネジャー 森 ○○子
平素より格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
  ---- 中略 ----
なお、お届けに要する日数につきましては、J○Bハンドブックに、約一週間とご案内しておりますが、込み合う時期を除きまして、ご利用クーポン特典をお選びいただいた日の(土・日を除く)翌々日に郵便局から発送しております。したがって、曜日とお届けのご住所によりましては、最短4日でお届けできることもございますが、今後は、多少余裕を持ってご手配くださいますようお願い申し上げます。

次に、配達日にお客様がご不在の場合でございますが、配達記録郵便でございますので、郵便局は不在票の対応として配達日から一週間保管し、その後は送信元に差し戻しております。そのため、当社といたしましては差し戻されたご利用クーポンを、再度発送手続きをしておりますが、まりあ様は15日までご不在とのことでございますので、当部よりJ○B事務局に連絡し、16日以降の配達とさせていただきましたので、予めご了承くださいますようご案内申し上げます。
  ---- 中略 ----
当社は、より多くのお客様にご利用いただくために、会社の目標をお客様の満足(顧客満足=CS)に置き、「お客様の声」をサービス向上に役立ててまいる所存でございます。お客様から頂戴した様々なご意見・ご叱声により、至らぬ点をひとつひとつ改善し、皆様方に選ばれる会社となるよう努力してまいりますので、今後ともご支援のほどお願い申し上げます。


これを読む限り、私が依頼した利用クーポンは、最短ならなんとか間に合いそうである。いや、あった(過去形)。
問題は次の文章で、この担当者が利用クーポンの手配を、本人に断りも無く勝手に変更してしまったのだ。
この結果、間に合いそうだった利用クーポンが、全く間に合わなくなった、そして全く役に立たなくなった後で送られてしまうことが判明したのである。
これで最後の締めくくりに「会社の目標をお客様の満足」と堂々と結んでいる、この人の神経はいったいどうなっているのか? 本当に疑ってしまう。
「マネジャー」だというこの人は、現場のスタッフに対して少なからずCSを指導し推進する立場にある人だと思われる。またそのように記載されていた。この指導者がこれだから、この企業の体質、CSのレベルというものがうかがい知れる。
今回の対応が意図的な仕打ちだとしたら、まだ理解できるのだが…。
「顧客満足」って何でしょう?
私も仕事柄「顧客満足」には考えさせられ、悩まされ、時に涙することもあります。
しかし相手が満足を得られない時には、やはり自分自身も満足を得る事ができません。どこかに自分の至らぬ点があるのです。相手が納得いかないのは何故なのか? どうしたらお互いがすっきりするのか?
その答えは、お決まりの方法では決して見えてきません。
相手の意図する点をしっかり見据えなければ、解決するものではないと思います。
私の仕事は、お客様と直接向き合いますので、表情、眼差し、言葉総てがまっすぐに突き刺さってきます。それでも至らぬ所が自分の胸にいつまでも残って辛い思いをすることが多々有りますが、それ以上にお客様の心が痛んでいるのだということはよくわかります。
いつも多数の苦言を処理しなければならない貴殿にとっては、一つ一つ気に留める余裕などないのかもしれませんが…

私はこの言葉をお返しした。
このマネジャーが、私の趣旨をどれほど理解できるかはわからないけど。
大企業ほど「顧客満足」という看板を掲げているけれども、その実顧客の顔が見えていない。

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