おばちゃん、マウイで踊る(2)
ピーさんにお褒めの言葉を頂いた(?)ので、有頂天になって、さらに続けます。
翌朝の朝食は7時から、私達の団体専用の朝食会場が用意されていた。「7時から」と言っても、バイキングだから好きな時間に来ればよい。なにしろ出発は9時なのだ。しかし、というかやっぱり、おばちゃん達は6時半にはかなり集まっていた。仕方がないので45分には開けてもらった。なんと今日は和食。おにぎりや白いご飯、卵焼きに漬物と味噌汁、そしてフルーツだ。コーヒーの他に日本茶まで用意されている。「ちょっと牛乳はないの?」とおばちゃんに聞かれた。ボーイさんに頼むと、「メニューにはないけど、OK」といって中から持ってきてくれた。ここはとても親切にサービスに応じてくれる。
今日は踊りの大会だ。揃いの浴衣を着たおばちゃんや、ムームーを着たおばちゃん、知らない人から見たら、同じ日本人でも一種異様に思うだろうな。内輪の人間でもそう思うもん。おばちゃん達は日本を発つ前にセットしたのだろう、かなりの人がダンゴ頭で、それにムームーを着て花を耳の上に飾っている。どう見ても不釣り合いなのだが・・・ マウイ文化センターという所で開かれる大会は「Japanese Folk Dance」として、 前日マウイの新聞にも紹介されたらしい。割と大きな大会らしく、昼前には来場者の列が長くできていた。
出場者は10時からリハーサルをして、家元のチェックを仰いでいる。この他に、出場しないで応援だけの人も約50名。この人達は中庭のテラスで時間をつぶしてもらった。とはいえ、わがままなおばちゃんの事、すぐに「何かすることないの~?どこかに連れてって~」という声がちらほら聞こえはじめてきた。仕方がないので、近くにあるショッピングセンターに、希望者だけ連れて行く事になった。添乗員はとりあえずやることがないので、私が同行して行った。希望者は9名。
地元の方の車で5分も走れば、大きなショッピングセンターがあった。左にシアーズ、右にリバティハウス、そしてその間は100余りの専門店、とくれば、まるでアラモアナのショッピングセンターそのもの。この「カアフマヌショッピングセンター」はお勧めだ。アラモアナよりも人が少なくて買いやすいし、安いらしい。集合時間と場所を確認し、私はそこで待機していた。困ったことがあればケアできるようにと。
集合時間よりも少し早く2人やってきた。バッグに同じタッグをつけているから、 ○○会のお客様だ。ところがこの2人、集合時間もなにもわかっていない。何か訳のわからんことを言っている。あんなに言ったのにぃ~、とよくよく話を聞くと、どうやら私達とは別に、誰かに連れてきてもらったらしいのだ。「帰りはタクシーで帰るように、って言われた」という割には、自分が何処へ帰っていいかもわかっていない。タクシーだって、どうやってつかまえ、乗っていいかもわかっていないのだ。海外は初めてらしく、「まっ黒い人が一緒にエレベーターに乗ってきて、ニコッて笑われて怖かった」なんて言っている始末。誰が連れて来たのかわからないが、恐ろしい事をしてくれる。私がたまたま見つけたからいいが、もし私に出会わなかったらどうなっていただろう?仕方がないので、私達が帰るときに一緒に乗ってもらって事なきを得た。
戻ってきたときには既に弁当は総て配り終えて、テーブルには3つだけ残っていた。この日踊るマウイ支部の人が予想以上に多くて、足りなかったらしい。この日の昼は、3つの弁当を6人の添乗員で分け合って食べた。
さていよいよ本番スタート。各支部毎に民謡や演歌を題材にした踊りが披露された。東海支部の「平成ちゃっきり節」がトップバッターだ。でも余った弁当はないか?探して歩いていたので見逃してしまった。
先生方の踊りが始まる、というので、私達は踊りを見る事になった。あぁ、紫の着物を着たのが先生だったのね。今初めてわかった。朝食会場では、とてもそんな風には見えなかったので。「さすがに先生方の踊りは揃っているね」とは、私達内輪の評。第2部ではお家元の踊りも披露されたが、正直いって何がどうすごいのかわからない。もっとも後で、「お家元がフリを間違えた」ともっぱらの評判になっていたが。
そして極めつけは最後の「皆んなで踊ろう~ビューティフルサンデー」。プログラムにこう書いてあっただけでふき出してしまった。やっぱりあれ、田中青児のあれだった。個人的にはどんなふうに踊るのかとても興味があったが、およそ日本舞踊とは思えないステップを繰り返していたのだった。
大会終了後、地元の人達がなんとマウイの本願寺で夕食を用意して待っていてくれた。ここでもバイキングだったので、私達の夕食は、みんなが一通り取った後、残ったものを取って、まるでストリートチルドレンのように外でしゃがみこんで、そそくさと食べた。
しかし地元の人達はとても暖かい。手作りのこんなパーティーは、普通では味わえない良さがある。なによりも心がこもっているよね。おばちゃん達はまずい、と言ってたけど、私はとっても好きだった、この味。こんな地元とのふれあいは、普通の旅行ではなかなか味わう事ができない。
おばちゃん達ばかりなのに、ビールが飛ぶように売れ、「みんなそんなに飲むんかい!?」と思ったけど、なんとなく私も飲みたくなって、缶ビールを選んでしまった。全部は飲めなかったけど、気持ちはわかった。
ホテルに到着後は、ホノルル移動後のオプショナルツアーの受付で、11時までフロント待機。東海支部の来襲で、添乗員の淳クンは「もう、MK5秒前(マジで切れる5秒前)ですよ~」と悲痛な声をあげていた。私の気持ちわかってもらえたかな?おかげでお釣を渡し間違えてしまったのだった。
(まだつづく)
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