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おばちゃん、マウイで踊る(1)

ハワイのお話をしていたら、昔のハワイ添乗の事を思い出しました。
以前自分のページに書いたものを、こちらにご紹介します。文章、今改めて読むと、なんだか若い(笑)(一部改変)

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オーストラリアから帰国して1日休むと、もう次の仕事が待っていた。長崎支店の仕事が静岡支店経由で私に来ていたのだ。ほんとはオーストラリアへ2回行く事になっていたのだが、直前になっていつのまにか違う日程表が届いていたのだ。
出発当日午前中が打ち合わせになった。そこで渡された資料を見てびっくり。家元のいる長崎を中心に、某踊りの会のメンバーが全国から約230名、マウイ支部結成20周年を記念して、マウイ島で踊りの大会が開かれるのだそうだ。私はその東海支部43名を引率してハワイまで行くのだという。  
お客様のパスポートを渡されて写真を見ると、50歳~70歳のいかにもコテコテのおばちゃんが42名と、カメラマンの男性が1名。写真を見ただけで、ツアーの内容が想像されるような気分だが、実際はまさに想像通り、いやそれ以上にコテコテな内容だった。  
静岡駅午後3時10分集合、と案内されてあったが、2時40分に駅に行くと、既に殆どの人が集合していた。新幹線は指定席をとってあるので、早く来ても関係ないんだけど・・・  
実際の人達は、パスポートの写真そのまま。表情がつややかなのは、お化粧のせいばかりではなく、幾分上気しているのだろう。そんなところまで写真そっくりだ。

新幹線の中では、お土産宅配業者の方が、事前にお土産の注文を受け付ける。予めパンフレットを配っていたらしく、多くの申し込みがあったとかで、業者の方もホクホクだ。この人達(2名)は、自腹を切って新幹線~成田エクスプレスに乗っているのだ。そうしてまでもなお、余りある売り上げだったらしい。

東京駅で新幹線から成田エクスプレスに乗り換えるには、約15分の所要時間が必要だ。夕方のラッシュアワーには少し時間はあるにしても、縦横無尽にビジネスマンが往来するなか、迷子を出さずにいけるだろうか?まずそれを心配する。  
お土産業者の方に再後尾についてもらい、なんとか到着。成田エクスプレスで無事席が埋ったときはほっとする。

成田空港ではまず、殆どの人がスーツケースを宅配で送っていたので、それを受け取る。おばちゃんみんなちゃっかりしてるなぁ、と思いつつも、でもこれがなければ無事乗り換えできたかどうか・・・集合時刻の1時間前に到着したので、余裕をもってチェックインできた。しかもここからは長崎支店の副支店長、空港集合のお客様と合流だ。 お客様には軽く夕食をとってもらい、その間に荷物のチェック。JALは荷物のタッグNoと名前が一致するように、リストに書いて提出しなければならない。座席もだ。そんなことをやってたら、あっというまに集合時間だ。おばちゃんたちはすでに集まっている。この点は酔っ払いのおやじグループとは違う。全員そろっているのを確かめて出入国カード(ED)を渡し、サインなどを書いてもらう。通常私の説明は他の添乗員よりも早い。きっと何か漏れているんだと思うけど、10分位で終わる。しかし今回は40分もかかってしまった。「日本のEDを出して下さい。」と書類を手に持って見せているのに「えー?どれどれ?」といいながら全員出すのに5分はかかる。「ここにサインして・・・」と言うと、「どこどこ? どうやって? あーっ、ここに書いたけどいい?やっぱり書き直したいやー」・・・全員が1回サインするのに10分はかかる。そんなわけであっという間に搭乗開始時間になってしまい、慌てて出国審査に連れて行かなければならなかった。    

出発は9時、夕食は10時頃、そしてホノルル到着は朝の9時(日本時間の4時)。だからお客様には「夕食を食べたらすぐにお休み下さいねー。じゃないとハワイに着いてから疲れますよ。」と案内したにも拘わらず、私達のエリア中ペチャクチャ話し声がずっと聞こえていた。私はヘッドセットをして「見猿聞か猿」を決め込み、ぐっすり眠った。だって飛行機に乗るまでにもう疲れてしまったんだもん!  
朝目覚めたら、隣のお客様から「てんじょーいんさん、よく寝てたねぇ、ご飯の前にもう寝てたもんねぇ」としっかりチェックされていた。お客様達は興奮気味なのかみんなあまり寝ていないらしい。そこまでは付き合いきれん!!

ホノルルに着いて後、入国審査の長い列を並び、荷物を受け取りなんとか外に出た。これからマウイに乗り継ぎだ。機内に預ける荷物の個数をチェックし、外で待つお客様を集めて国内線へ行こうとしたら、数名トイレに行ったきり戻ってこない。しかも何名かは下に降りてトイレに行ってしまったとか?まったく誰が案内したんだろう?トイレの場所を探す嗅覚というものを、おばちゃんはしっかり持っている。 揃った、さぁ行こうとしたら、「きみさんがまだ」と言って一人のおばちゃんが座っている。なんで点呼をとったときに言わないの?代わりに返事をするおばちゃんがいるのだ。先頭はもう進んでいる。しょうがない、探しに行ったら丁度下から上がってきてくれて、迷子はなんとか免れた。  
ホノルルからマウイへ行く便は自由席。あぶれたら次の便にするしかない。だから急いで列に並ばなければならない。気がつくと誰かがそっとトイレに消えてしまうので、注意しなければいけない。トイレに行くときは、一言言ってほしいのに、まさか羞恥心?  
搭乗券に名前をローマ字で書かなければならないが、まともにかけるおばちゃんはわずかしかいない。副支店長と手分けをして書く。搭乗券の枚数だけ人数がいたので大丈夫だろう。何かを渡そうとするときだけは、先を争ってもらおうとするので、とにかく私の目の前に手のひらがいっぱい出てくる。何かをもらう事にかけても、おばちゃんの嗅覚は鋭い。きっとちゃんと全員の手に渡ったことだろう。とにかく滞在中おばちゃん一人一人の顔よりも手の形を覚えてしまった。

マウイは私も初めて。ホノルルほど人が多くないだけに、バゲージも楽に見つけられそう。大体の人が荷物を受け取り、「まだ受け取ってない人いますか~?」と聞いたら誰もいなかったので、先頭は出発した。そしたら誰かが「てるさんの荷物がまだ」という。なんで聞いたときに教えてくれないのー???探したが見つからないので、一応空港のアシストにタッグの番号と名前を教えて、空港を後にした。てるさんの荷物は、結局夕方の便でマウイに届き、程なくホテルに到着した。

マウイの市内観光目玉は、さとうきび列車に乗ること。蒸気機関車に繋がったトロッコで約30分繁華街ラハイナからカアナパリを抜けてプークリィまで走る。1時30分発の列車だが、お腹のすいたおばちゃん達は、アイスクリームなどを買いに走る。とここでもトイレに走る。あっちで記念写真を撮っている人もいる。ハワイ時間で生きている地元の人達は温厚なので、多少の遅れは見逃してくれたけどね。  
私達のバスに乗ったガイドさんは40歳過ぎの男性だが、なんと数学の教師から転職してガイドになったばかりとか。それはいいのだけど、慣れないと見えてなにも語らない。ただ「あれはさとうきびね」を繰り返すのみ。ドライバーのほうが日本語がうまくて、お客様を和ませてくれるのが救いだった。まったくさとうきび列車をどこで降りるかも教えてくれない。私は他のガイドさんから聞いたのだった。

さとうきび列車の後は、バスから景色を眺めながら昼食会場へと向かう。昼食そして隣接する免税店(DFS)でのショッピングだ。マウイ到着時より、日本各地からの参加者と合流して、総勢230名になっている。殆どおばちゃん!  この昼食よりバイキング三昧がスタートした。各部屋毎にバイキングのテーブルにご案内するが、食べ物をとるときのパワーは想像を絶する。もう自分の事しか考えない、自分の周りはなにも見えない状態で、物があっという間になくなり、おかわりを持ってきたボーイさんの姿も目に入らない。そのくせ「ちょっとぉ、フルーツがもう無いわよー」と叫ぶ。福岡から参加した同じ添乗員の男の子は恐れおののいていた。「階段ばかりで足が痛い」という割にはおかわりに走っていたし・・・  
おばちゃんたちは、食事が終わると、まっすぐにショッピングに出かけていった。「ムームーを買う時間をつくって」と言われていたくらいなので、みんなムームーを買いに行ったのだろうか?想像すると怖いものがあるけれど・・・  
添乗員はみんながショッピングに消えた後、やっと食事にありつけた。食べるものは、もう殆どなかった。これから毎食毎食、このような状態が続いたのである。

ホテルに到着して、荷物が届かないなどのクレームを処理していたら、あっというまに夕方になった。「ウエルカムパーティー」の準備をしなければいけない。部屋に荷物を置いただけで戻り、夕食会場へ向かう。ビーチに面したオーシャンガーデンにセットされ、はじめは心配された天気も、開始してからは好転し、美しい夕焼けが眺められた。会場の向こうではアベック達が肩寄せ有って夕日を眺めている。いいなぁサンセットはこうでなきゃ・・・と思いながらも私は「ほら、夕日がきれいですよー」とおばちゃんに声をかけていた。この夕食もバイキング。混乱を避けるために、テーブル毎にご案内していったが、あっというまに長い列ができた。物をとるおばちゃんは時間がかかるのだ。ときにバックしていく人もいるからねー。

添乗員は私を入れて全部で6名。私以外は皆男性だが、ビールはなんとか確保したが席はない。会場の裏の方で、残った食べ物をお皿に盛って、パーティーの間、そそくさと分けながら食べた。星空の美しいのが救いだった。あまりにきれいなのでじっと見ていたら、お客様の一人である県会議員さんが話しかけてきた。添乗員とは思わず、一人で星を見上げていた変な女の子だと思ったらしい。

パーティーもようやく終わり、10時前には部屋に入る事ができた。部屋にはおぉ、フルーツが届いていた。嬉い!!ホテルによっては、たまに添乗員にフルーツを入れてくれるところがあるが、今日ほどこれをありがたい、と思った事はない。備え付けのコーヒーメーカーでコーヒーを入れ、長椅子に座ってパパイヤやパイナップル、苺など貪るように食べた。でも気がついたらいつの間にか眠ってしまっていた。
(つづく)

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コメント

ふーむ

これは真底実体験なだけに、読み応えがありますねえ。
ほんと、添乗員さんほどきつい仕事はないと思う。
たいてい「いろんなとこ行けていいでしょ」なんて言うけれど、よほど好きでなければやってられないね。

投稿: ピーちゃんの身元引受人 | 2004.09.30 07:55

ん?
なんだかいつものピーさんらしくないゾ!
ピーさんになりすました別人?(笑)

ああ、おだてられると木に登る私の性格を見抜いての仕業か(^_^;)。

てなわけで、第2弾も早速行きますっ!
(コピペするだけだから、簡単(^_^))

投稿: まりあ | 2004.09.30 09:36

ではピーさんになり変わりまして・・
>添乗員とは思わず、一人で星を見上げていた変な女の子だと思ったらしい
女の子?子? まぁ夜目遠目傘の内とは言いいますが、近づいたら違ったのでさすがの県会議員もびっくりした という話ですかぁ?(^。^)

(a素敵な or b痛々しい or cしっかり)大人の女性だったので・・

 

投稿: | 2004.09.30 12:52

ん?昔、昔の(強調しすぎ?)まだ、日本でも女の子で通じる時代のお話だったでしょうか? つっこみどころを間違えたかも なれないことはしないに限りますね(笑)。ピーさんは久しぶりに山の神聖な空気を吸った影響がでているのかもしれませんね。

投稿: | 2004.09.30 13:17

はい、7年前は「女の子」だったんですけど…(笑)。
ピーさんの毒気が抜けている間に、一気に載せてしまいましょう。

(しかし惑さんという伏兵がいたとは…)

投稿: まりあ | 2004.09.30 22:40

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