昨日とはうって変わって、外は冷たい雨が降っている。
今年の秋は短い。秋晴れと呼べる秋らしい日が少ない。夏か冬かの両極端な日が続いている。
天候って微妙に人の性格形成に影響を与えている、と私は思う。
温暖な所でのほほんと育ってきた私には、正直関東の風さえ厳しく感じる時がある。
ここ2~3日、自分の中で気になっている事件がある。
イラク人質事件。
香田証生さん(24歳)、出身が福岡県直方市だというのが主な理由かもしれない。
それだけの繋がりでしかないけれど、世間が非難の目を浴びせるのはよくわかるのだけど、彼がどうしてこういう経過を辿ってしまったのか、考えずにいられないのだ。
東海第五高校在学中は、とても大人しく友人にも優しい、きちんとした性格の少年だったらしい。その彼が突然「ボクサーになりたい」と、高校を退学して通信制の高校に編入し卒業する。
その後は不明だが、1年ほど前よりワーキングホリデーを利用してニュージーランドへ。それが突然中東への旅へ向かうこととなる。イスラエル~アンマンを経てバグダットへ。結局バグダットのホテルでは宿泊を断られ、アンマンに戻ろうとしたところで誘拐されてしまったようだ。
新聞記事を拾い読みするとこんな感じ。
脈絡の無い彼の生き方。
所持金100ドル程度しかなく、髪も髭も伸び放題、汚れたシャツの、見るからに弱々しい若者を、武装組織グループは何を思って人質にとったのか?
まさか本当に自衛隊のメンバーだと信じて捕らえたとは思えないのだが・・・
「この子の名前の通り『生きる証』を、世の中に示してくれる子だと思っています。だから早く返して下さい。」
母親の悲痛な叫びに思わずはっとしてしまった。
もしかして母の期待通りに「生きる証」を求めていたの?
そのあまりにおとなしい優しい性格に、母の想いは、君の目的は重すぎたんじゃないの?
結果として、あまりに若すぎ、あまりにつらい形で「生きた証」を示してしまった彼。
彼の生き様に、「無目的・無知・無謀な行動」と、世間の雨も冷たい。
人の命は皆等しく重い、はずなのに・・・
---- 追記 ----
イラクで発見された2体の遺体は、いずれも香田さんではないことが判明しました。ほっとしています。
いまだに厳しい状況にあることだけは確かですが、望みは捨てないで吉報を待ちたいと思います。
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