« ホワイトクリスマス | トップページ | 日本-マジョルカの直行便 »

きよしこの夜

「きよしこの夜」が初めて演奏された教会です。
iso2022jpbgyrcjsohpcvqjxmlssvrjvubkeiuanbnオーストリア・ザルツブルグ郊外にあるオーバンドルフという村にある礼拝堂。本当に小さな小さな教会です。
ザルツブルグの中心を流れるザルツアッハ川の延長、対岸はドイツという、オーストリアでも端に位置するオーバンドルフ。
作曲したグルーバーは、隣村の学校教師で、オーバンドルフの教会のオルガン奏者でした。
当時の副司祭が彼に「きよしこの夜」のテキストを渡して、この詞に合う曲を創るよう依頼したのが、1818年の12月24日、そうクリスマス・イブでした。グルーバーはこれを元に、わずか1日足らずで作曲し、翌25日の深夜、この教会で初演を果たしたのです。

面白いことに、初演はオルガン曲ではなく「ギター伴奏による2人のソリストと合唱のための曲」でした。

その年の夏、ザルツアッハ川が氾濫し、教会のオルガンが壊れて使えなかったためだという説が残っています。元々副司祭自身がギタリストであったことから、オルガンの代わりにギター、というのは自然な流れだったのかもしれません。
初演の時には、副司祭がギターを弾きながらテノール・ソロを歌い、グルーバーがバスを担当したのだそうです。

昨年の秋に、この教会を訪ねました。
数名も入れば一杯になってしまうほどの小さな教会で、ひそかに厳かに演奏されたこの曲。これが今やクリスマスには世界中で響き渡る名曲になるとは、きっと二人とも予想だにもしてなかったでしょう。いやきっと知らぬままこの世を去ってしまったのでしょう。
副司祭の肖像画は残されていませんし、グルーバーは初演の楽譜も無く、残されていた写真だけが、彼の存在を証明するものとなっています。

その後「きよしこの夜」はチロル民謡として歌い継がれ、1891年ウィーンの大博覧会でハノーバー出身の宮廷オペラ歌手ヨセフ・ブレッアーヘルが北米のある学校に眠っていた「ザルツブルグ歌曲集」からこの曲を見つけ出し、演奏して廻ったのが、世界的に広まるきっかけとなったようです。

音大の教授をなさっていたお客様と共に、オーバンドルフの教会とグルーバーが努めていた隣村の学校を訪ね、過ぎし日の姿を想像し、ひとときを過ごしました。
隣家の庭には、真っ赤に実ったリンゴが秋の日差しに光っていたのがとても印象的でした。

|

« ホワイトクリスマス | トップページ | 日本-マジョルカの直行便 »

「旅と心と体」カテゴリの記事

コメント

いやー、そうだったんですか。ミュ-ジシャンのはしくれとして大変勉強になりました。
特に最初はギターで伴奏されったってのが気に入りました(笑)!

投稿: 健太 | 2004.12.25 01:08

健太さんこんにちは。

ハワイはこれからクリスマス・イブ大パーティーでしょうか?
きっと今頃健太さんはギター弾いているのかな?
「きよしこの夜」も歌ってね!

投稿: まりあ | 2004.12.25 15:39

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/11005/2361470

この記事へのトラックバック一覧です: きよしこの夜:

« ホワイトクリスマス | トップページ | 日本-マジョルカの直行便 »