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35年ぶりのマウンド

「西鉄の池永です。池田パンをどうぞ」

野球には興味のなかった私だが、幼い頃よりなぜかこのフレーズだけが記憶の中から離れなかった。
それは、ある日TVのCMから忽然と消えたからかもしれない。
ただそれだけかもしれないが、なぜかずっとずっと気になっていたのは事実。

西鉄ライオンズ、池永正明投手。

1965年に西鉄ライオンズに入団後、その年の新人王に輝き、それから5年間毎年15勝以上という輝かしい記録を築いた投手が、ある日突然姿を消した。
「黒い霧事件」というプロ野球界最悪の八百長事件に巻き込まれた為であった。
刑事訴訟では不起訴という裁定を受けながらも、結果プロ野球界からは永久失格処分。
当時の実績からすれば、現在の松阪や上原投手以上といわれるほどの将来を約束された選手が、若干23歳という身体的絶頂期に突如野球を遮断されてしまったのである。

一貫して無実を叫び続けた池永投手、真実の程は私に語る資格はないけれども、総てを一瞬の内に失ってしまった彼の半生は、あまりに辛すぎる。
一方、西鉄ライオンズはその後立ち直る事ができないまま身売りを続け、福岡の地を去ることになった。

その池永投手が、今年4月25日にようやく永久追放処分を解除された。
実に35年間の空白を経ての解除、既に50歳を過ぎて野球などできるわけがない彼にとって、この朗報(?)はどんな意味を持つのか、私には全く意味不明であった。

しかし、池永投手が復活する事を知った。

5月11日(水)セ・パ交流戦、福岡ソフトバンクホークスvs広島カープの試合(福岡ヤフードーム)に於いて、彼が始球式を務めることとなったのである。
既に「西鉄ライオンズ」というチームは存在しないが、福岡ソフトバンクホークスが、在九州唯一の球団として、九州のためにぜひ!と、彼に懇願し、快諾を得たのだという。
わずか1球限りの復活、1球にしか過ぎないけれども35年間の思いを込めた投球姿を、自分の記憶に重ねながら見つめてみたい。

(注記)本記事を書くにあたり、プロ野球 ベストメンバー奮戦記さんの記事を参考にさせて頂きました。

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「スポーツ」カテゴリの記事

コメント

五月二十八日、池永正明氏の店ドーベルに行ってきました。池永正明氏に西鉄ライオンズの帽子を被ってもらった写真を私のホーム頁で公開しています。これを見た人たちの間で、オールスターで池永正明氏の西鉄ライオンズのユニフォームでの始球式を求める声が高まっています。

投稿: 日出島哲雄 | 2005.06.02 15:48

日出島さん、コメントありがとうございます。

池永さんは、このような場でも西鉄ライオンズにこだわりを隠し切れないでいらっしゃるのですね。
写真を拝見しても、とても辛い気持ちになりました。
皆さんの声に応えられる日がくることを、心より願っております。

投稿: まりあ | 2005.06.06 23:20

昨日の池永正明氏のソフトバンクとヤクルトの試合の解説では、若菜嘉晴氏が池永正明氏を先輩と呼んでいたのが良かったです。

投稿: 日出島哲雄 | 2005.06.12 19:20

日出島さん、再びコメントありがとうございます(^_^)。

池永さん、地元でますますご活躍の様子、そういうお話を伺うと、なんだかほっとしますね。
若菜氏、確か横浜大洋で活躍した方だと思いますが(スミマセン、野球詳しくないもので…)、池永氏の活躍ぶりは、おそらく少年時代にしっかりと胸に刻まれていたのでしょう。

投稿: まりあ | 2005.06.19 12:13

若菜嘉晴氏は西鉄ライオンズの最後の選手です。横浜にもいました。
6月24日の稲尾和久氏と池永正明氏の解説では、稲尾和久氏が池永正明投手の昔の投球を解説していたのが良かったです。

投稿: 日出島哲雄 | 2005.06.27 11:42

日出島さん、コメントありがとうございます。

若菜さんは、西鉄ライオンズ出身でしたか。
知りませんでしたm(__)m。だから「先輩」なのですね、納得しました。

若菜さんの「先輩」の言葉の重み、しみじみと胸にしみました。教えてくださり、どうもありがとうございました。

投稿: まりあ | 2005.07.03 12:06

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