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ブラッドフォードの街

ロンドンから「嵐が丘」の舞台で知られるハワースの街まで、バスで約3時間。
途中にリーズやブラッドフォードといった小さな街を通り抜けた。
ガイドブックによると、小さいながらも「商取引の盛んな街」とある。
メインストリートや住宅街の道を走ると、昨夜の飛行機の長旅で夢うつつだったお客様の表情が、突然怪訝そうな眼差しに変わった。

そこに並ぶ家並みは、確かにイギリスの田舎町ならではの風情なのに、通りを歩く人達の服装が変わっている。
男性は黒い髪に大きな黒い瞳、髭の濃い人達が多く、女性は全身にいかにも、な大きなガウン=チャドルを身にまとっているのだ。

丁度昼前、朝の祈りが終わった頃なのか、沢山の人々が家から出て、一家・一族総出で通りを歩いている、そんな光景があちこちで見られる。
メインストリートの商店に掲げられた看板はアラビア文字。
「イギリスの田舎は小奇麗ですよ。」
そんな説明を半ば裏切るような、路地のゴミの数々。住宅街の各々の庭も、花壇の跡は見られるものの手入れされていない家が多い。

そう、ここはイギリスであってイギリスではない。
昔は確かにここにイギリス人がいた、という痕跡はあるものの、そのイギリス人達はいったいどこに行ってしまったのだろう?
そんな不思議な思い、ちょっと重苦しい気持ちを抱きながらこの街を後にした。

昨日はロンドンのテロ事件から丁度一週間。
実行犯や容疑者が特定され、ウエストヨークシャーで家宅捜索を行った、との報道があってようやく気づいた。

「あの街だ…」

確かに不思議な風景ではあったが、お父さんを先頭に一家で歩く姿は、むしろどこかほのぼのとしていた。小さな子供達は可愛い。
そんな人々の中に自爆テロの訓練を受けていた人がいたかもしれない…
まさかとは思いながら、あの時の光景を再び思い出していた昨日だった。

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» 鍵握るエジプト人大学講師 同時テロの首謀者らと接点 [あっかんべぇ]
共同通信・FLASH24:鍵握るエジプト人大学講師 同時テロの首謀者らと接点 【ロンドン14日共同】ロンドン同時テロの実行犯らが拠点としていた英中部リーズで大学講師をしていたとされるエジプト人男性が、首謀者とみられる英国生まれのパキスタン系の男や自爆テロ実行犯らと接点を持っていることが14日までに分かった。英警察当局は事件解明の鍵を握る重要人物とみて、首謀者とともにこの男性の行方を追っている。  ロンドン警視庁は14日、同時テロで爆破されたバスに乗っていた男性が同日、病院で死亡し、テロの死者数が54... [続きを読む]

受信: 2005.07.15 13:00

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