ハートカクテル

たまたま訪ねた東京大丸でわたせせいぞう展をやっていたので、ちょっと見に行く事にした。
十数年前ハートカクテルというお洒落なアニメ＆BGMが話題になり、私も好きでよく見ていたのだ。
そしてこのBGMは披露宴の曲にもなった。

そしてそして、わたせせいぞう氏が私の母校の先輩だと知ったのは、随分後のことだった。

中学校の記念誌の表紙が、見覚えのあるお洒落なイラストで飾られたのを見て、初めて彼が先輩であることを知り、私の興味はさらに高まったのだ。

最近では故郷北九州や今春開港する新北九州空港を描いて、北九州市の新たな街づくりにも多大な貢献をなさっている。
画像は関門大橋。本州と九州を結びつけるこの橋の袂は、懐かしいめかり公園の景色である。

今回は新作「ハートカクテルeleven」をメインに、わたせ氏の代表作「ハートカクテル」（４ページ漫画）の原画や「ぴあ」の表紙、そして北九州の作品などを紹介していた。
彼の作品は鮮やかな風景に見事に溶け込んだ、都会の男女を限りなくお洒落に描いただけでなく、そこに吹き込まれた言葉もまた、小粋に一つの物語を、世界を創り上げているところが興味深く、一つ一つの作品、思わず時間をかけて、それぞれの世界に入り込んでしまった。
まさに自分の幼き頃～青春時代をリアルに思い出させてくれ、感慨にふけった一時となった。
あまりに異なる現実は、この際目をつぶっていただこう(笑)。
なりきるのは自由だから…。

それにしても、60歳を過ぎたというのに、わたせ氏の描く男と女は、いつまでも都会的で若々しく、お洒落で小粋。生き生きと瑞々しい。
いつの間にか通り過ぎてしまった私には眩しく映る。

そして出口にさしかかった時に目に止まったシルクスクリーン（上の画像）を、気が付いたら購入していた自分がいた…。

まっいいか、届く頃には自分への誕生日プレゼントになる(笑)。