傷跡
左の画像、岩肌に無数の穴が開いているのがわかるだろうか?
ここはスーサイドクリフ(=自決の崖)、そして崖の穴はアメリカ軍の海からの砲弾によるものである。
60年前、サイパン島の北の端にまで追い詰められた日本兵や日本人の住民達は、
「鬼畜米兵の餌食になるよりも潔く自決を」
と、海の彼方にあるはずの日本の地を臨み、自ら命を絶ったのである。
その数3,000人とも4,000人とも言われる。
海一面に浮かび上がった無数の死体、想像を絶する惨たらしさに、米軍も数多く日本人の救助にあたったという。
しかし当時の日本では大人子供に至るまで「米兵は鬼」だと教え込まれていた。
誤った報道規制により、救助のため近寄る米兵でさえも鬼と信じ拒んだ人々が多かったのだ。
どこまでも青いサイパンの海。
その青さは、ハワイもグアムよりも凌ぐ美しさだ。
決して埋まることの無い崖の穴と共に、静かにそして永遠に軌跡を見つめ続けている。
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