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白い壁

白い壁
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朝焼けに照らされてピンク色に染まったドーバーの岩壁。
石灰岩の巨大な白い塊は、海を渡って辿り着く者の視線を、まず釘付けにする。

この壁に出会うのは二回目だ。

この仕事を始めて間もない頃、パリの大ストライキにより、パリからロンドンまでのフライトがキャンセル、バスでロンドンまで移動しなければならなくなったことがある。
ロンドンから成田までのフライトは翌日に振り返られたので、我々はとにかく陸路で移動し、途中で泊まる所を確保しなくてはならない。

とにかく一刻も早くパリの街を出発しなければならなかった。
突然の出来事に、パスポートを携帯している運転手と交代してもらい、ひたすら高速道路を走る。
どこを走ってるのかわからないままサービスエリアで昼食を取り、ヨーロッパ大陸の端らしい所に出てきたのが、カレーの街だった。
ロダンの彫刻で名高い(!?)、あのカレーか…
その程度の知識しかないまま、バスは先端へと走る。

出てきたところがフェリーの乗り場。
バスはこのままフェリーに乗ってイギリスへと渡るらしい。
イギリスといえば…入国カードを書かなければならない。
私は乗船後すぐに25名分の入国カードを受け取り、全員分を記入した。
船内に公衆電話があった(当時はまだ携帯は無い)ので、早速手配担当に連絡を入れ、今宵の宿が確保できたことを知る。

ドーバー海峡は泳いでも渡れるほどの狭さ。
ほどなく船はイギリスの岸壁に到着し、私達を迎えたのが、この白い岩壁だったのだ。
午後4時半頃だっただろうか?
白い岩壁が夕日を浴びてオレンジ色に光っていたのだけが、強烈な記憶として残っている。

お客様からの怒号を浴びながら、ひたすら絶望から這い上がろうと必死になっていたあの頃の自分を思い出しながら、今回、朝日を浴びて優しいピンク色になっている白い岩壁を見つめていた。

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